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2018-10-18 00:00:00 更新

インドの病院でITシステムを活用した省エネや業務効率改善のための実証運転を開始

インドの病院でITシステムを活用した省エネや業務効率改善のための実証運転を開始

―エネルギーマネジメント最適化により消費電力30%削減を目指す―

2018年10月18日

国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
株式会社日立製作所
日立インド社

NEDOと(株)日立製作所、日立インド社は、インドの高等教育機関兼病院である全インド医科大学ニューデリー校内に、太陽光発電を含めた省エネ機器および病院全体のITシステム(ICT)を導入し、省エネの実現および病院業務の効率を改善するための実証運転を開始しました。

この実証事業では、エネルギーマネジメントの最適化により、ITシステム(ICT)ネットワークの有効性を検証するとともに、病院全体の消費電力の2014年度比30%削減を目指します。

  • 図 省エネ型IT機器

1.概要

人口約13.5億人を抱えるインドは、近年の急速な経済発展に伴い社会インフラの整備が急務になっています。慢性的な電力不足や公共施設の老朽化などの課題を抱え、医療分野においても一部高級私立病院を除いては満足のいく医療サービスが提供できない状態にあります。このような中で2014年6月にインドの健康家族福祉省(MoHFW:Ministry of Health & Family Welfare)が「Green AIIM構想」※1を発表し、同国ニューデリー市内の高等教育機関兼病院である全インド医科大学ニューデリー校(AIIMS New Delhi:All India Institute of Medical Sciences New Delhi)を構想実現のショーケースとしたいとのインド政府の意向が示されました。

国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、2016年11月にインドの健康家族福祉省およびAIIMS New Delhiと、同校の医療分野でのエネルギーマネジメントとITシステムとの統合により、病院全体のエネルギー削減およびICTを活用した医療データの有効活用事業を行うための基本協定書(MOU)を締結しました。

これに伴いNEDOでは、株式会社日立製作所および日立インド社(Hitachi India Pvt. Ltd.)を委託先に選定し、太陽光発電を含めた省エネ機器など高効率なユーティリティ設備への更新、エネルギーマネジメントシステム(EMS)の導入と高効率ストレージ・サーバを使用した病院全体のITシステムの構築に取り組み、省エネの実現および同病院業務の効率改善を実証するためにプロジェクトを進めて来ました。 今般、設備の設計、設備機器の製作、据付・試運転が完了し、病院全体のエネルギー削減およびITシステム(ICT)を活用した医療データの有効活用を検証する事業※2の実証運転を開始しました。

本実証事業は2019年度末まで実施し、エネルギーマネジメント(環境面、コスト面、信頼性)の最適化により、ITシステム(ICT)ネットワークの有効性を検証するとともに、病院全体の消費電力の2014年度(実績)比30%削減を目指します。

なお、実証運転開始にあたり、17日、AIIMS New Delhi、NEDO、(株)日立製作所および日立インド社は、運転開始式を催行し、日本およびインド政府機関関係者らが出席しました。

2.実証事業の内容

  • 【1】太陽光発電の活用による商用電力使用量の削減ならびに電源ソースのグリーン化、省エネ性能の高い設備への更新(空調機器、照明、IT機器など)およびエネルギーマネジメントシステム(EMS)の導入により、病院全体の電力使用を最適化し、2014年度(実績)比で消費電力を30%削減することを目指します。
  • 【2】エネルギー制御だけでなく、医療情報データを一元的に管理・活用し、エネルギー最適管理、診療効率改善を図るITインフラ基盤となるICT Platform※3を構築、運用し、その有効性を検証します。
    また将来的には、各種設備運転条件、気象条件などからエネルギー需要を予測し、ユーティリティ設備を最適運転させることによる省エネ実現および高効率ITソリューションによる医療データ統合、そのデータを利活用することによる医療業務の効率化を図り、病院全体でのエネルギー使用量の増加を抑制します。
  • 【3】実証体制

【注釈】

※1 Green AIIMS構想
インド政府主導の社会インフラ整備が掲げられる中で、健康家族福祉省がインド医学最高峰の高等教育機関兼病院であるAIIMSを、インド国内初の省エネ性に優れた病院に変えてエネルギー効率の高い病院を増やしていく重要政策の一つ。
※2 事業

【事業名】エネルギー消費の効率化等に資する我が国技術の国際実証事業/ICT活用型グリーンホスピタル
実証事業(インド)

【事業期間】2016年度~2019年度

【委託先】株式会社日立製作所
日立インド社(Hitachi India Pvt. Ltd.)

※3 ICT Platform
省エネ機器とIT機器を統合して運用することで、エネルギー制御だけでなく、医療情報データを一元的に管理・活用し、エネルギー最適管理、診療効率とシステムの改善を行うインフラ基盤のこと。

3.問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)

NEDO 省エネルギー部 担当:望月、曲 TEL:044-520-5284
NEDO 国際部 担当:片岡、木場 TEL:044-520-5190

(株)日立製作所 ヘルスケアビジネスユニット ヘルスケアソリューション事業部
担当:古柳、根岸 TEL:050-3116-3798

日立インド社(Hitachi India Pvt. Ltd.) 担当:岩田 TEL:+91-11-4060-5252

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)

NEDO 広報部 担当:坂本、髙津佐、藤本 TEL:044-520-5151 E-mail:nedo_press@ml.nedo.go.jp


情報提供:JPubb

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