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2018-10-10 00:00:00 更新

IWASAKIテクニカルレポート - LED高天井用照明器具「LEDioc μs(ミューズ)」

技術資料

LED高天井用照明器具「LEDioc μs(ミューズ)」

株式会社アイ・ライティング・システム 技術開発部 第一技術課 孫 赫禹

キーワード

LED,高天井,LEDioc μs,低グレア,高温対応,長寿命,銅鉄式電源

1.はじめに

本シリーズLED高天井用照明器具LEDioc μs(ミューズ)は,2017年10月に発売し,屋内商業施設,倉庫,駅のホームなど人々がグレアを気にする環境に最適なLED照明器具として好評を得ている。

LED照明器具においては,市場への普及とともに,光の質に対する要求が高まっている。特に屋内LED照明においては,目に優しい光(低グレア照明環境)の要求が多くなってきている。

本商品は優れた配光特性でありながら,さまざまな低グレアの照明シーンに対応できるLED照明器具であり,銅鉄式制御装置との組合せにより,低ノイズも実現している。

以下に,このシリーズの概要を紹介する。

2.商品概要

図3 電源ユニットの外観図と外形寸法図

LED照明器具のグレア低減方法としては,器具の外側にルーバやフードなどのオプションパーツを付けて,まぶしいLED直射光をカットすることが一般的である。しかし,オプションパーツを付けることにより,器具の配光の変化や器具外観の統一性がなくなるなどのマイナス影響があり,また,コスト高にもなる。

本シリーズでは,拡散フィルムを採用することで,器具の配光や外観に影響を与えずに,人に不快なグレアの低減を実現した。器具配光は中角配光,広角配光の2種類を揃え,色温度は5000K,銅鉄式電源4種類,合計8品種をラインアップした。

本商品の外観図を図1に,外形寸法図を図2に,電源ユニットの外観図と外形寸法図を図3に示す。また,商品ラインアップを表1に,商品仕様を表2に示す。

図1 外観図

図2 外形寸法図

表1 品種一覧
配光形式
(セット形式)
器具形式電源ユニット形式光束(ℓm)消費電力(W)
標準仕様中角EHCL0212M/NSAN2/A(B)EHCL0212M/NLEM147150HS2A(B)35117500175
広角EHCL0212W/NSAN2/A(B)EHCL0212W/NLEM147150HS2A(B)35116000
高温仕様中角EHCL0212M/NSAN2/A(B)/HEHCL0212M/NLEM103108HS2A(B)35113500123
広角EHCL0212W/NSAN2/A(B)/HEHCL0212W/NLEM103108HS2A(B)35112400
  • ※形式のA(B)はA=50Hz、B=60Hzを示しそれぞれ別商品

表2 商品仕様
  器具 電源ユニット
材質
前面ガラス
強化ガラス
反射鏡
アルミニウム
放熱フィン
アルミダイカスト
アーム
鋼板
ケース:鋼板
表面処理
反射鏡
シリカガラス処理後
アクリル塗装
放熱フィン
ポリエステル塗装
アーム
ポリエステル塗装
ケース:ポリエステル塗装
仕上色 グレイ(日塗工 N-70) グレイ(日塗工 N-60)
定格寿命 60000時間 -
質量 4.0kg 3.5kg
保護等級 IP65 IP23
使用温度範囲 標準仕様 -20℃~+40℃
(一時的に50℃)
-20℃~+40℃
(一時的に50℃)
高温仕様 -20℃~+60℃ -20℃~+40℃
(一時的に50℃)
耐雷サージ 15kV(コモンモード) 15kV(コモンモード)
周波数 - 形式末尾A351は50Hz、
B351は60Hz
定格電圧 - 200V

3.特長・機能

3.1 配光の手法

図4 光の拡散

図4に示すようにLEDから出た光を反射鏡で制御し,器具内で直進する光(1/2照度角6°)とする。そして直進光は拡散フィルムを経由して拡散する。フィルムの拡散具合を最適化させ,中角(1/2照度角21°),広角(1/2照度角29°)の配光を実現している。光が拡散フィルムを通ることで面発光になり,グレアは低減される。

3.2 放熱の手法

図5 構造断面図

本照明器具の反射鏡の材質にはアルミニウムを採用している。従来のLED照明器具の構造とは異なり,反射鏡はLEDと放熱フィンの間に挟むことで固定している(図5)。そのため,反射鏡は光の制御だけでなく,放熱部材としての役割もある。

放熱の割合は反射鏡が約1/2,放熱フィンが約1/2となっており,その結果,放熱フィンは従来の設計より軽量,小形化されている。

3.3 高温環境対応の手法

本照明器具は,標準仕様品(-20℃~+40℃/一時的に50℃)に加え,高温仕様品(-20℃~+60℃)も用意している。

標準仕様品では,夏季の一時的な高温環境(50℃)に対応する。また,高温仕様品は,消費電力を標準仕様の70%とすることで実現している。

3.4 電源ユニットについて

本照明器具の電源ユニットは,銅鉄式電源を採用している。電子式電源と比べてノイズが低くなり,他の精密機器への影響を大幅に軽減している。

また,電子式電源ではできない配線長(最大100m)をクリアしている。多様な入力電圧(100V~400V系)の対応も可能であるが,入力周波数は50Hz専用,60Hz専用の電源となっている。

4.おわりに

LEDioc μsは低グレアを実現しているが,今後もLED照明器具に対する光の質への要求は強くなると考えられる。本件の配光手法を応用して,さまざまな用途のLED照明器具の新商品化を進め,他社にはできない特長がある商品を開発したい。

この記事は弊社発行「IWASAKI技報」第38号掲載記事に基づいて作成しました。
(2018年4月25日入稿)


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