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2018-01-19 13:00:00 更新

地中熱交換器内蔵既製コンクリート杭「Hybrid Pile MS」の共同開発について

地中熱交換器内蔵既製コンクリート杭「Hybrid Pile MS」の共同開発について

工期短縮、コスト削減が可能で、適応性及び環境性に優れた地中熱交換杭

印刷用ページ2018年1月19日

三谷セキサン株式会社
積水化学工業株式会社



三谷セキサン株式会社と積水化学工業株式会社(環境・ライフラインカンパニー 建築システム事業部)は、既製コンクリート杭を用いた地中熱交換器内蔵既製コンクリート杭「Hybrid Pile MS」を共同で開発し、特許申請を行いました。

「Hybrid Pile MS」は、建築分野では主に中層から高層建築物、土木分野では橋脚等の基礎で用いられる既製コンクリート杭の中空部に、地中熱交換器を設置する工法になります。
コンクリート杭の中空部に地中熱交換用の高密度ポリエチレン管を内蔵していますので、コンクリート杭の建込みと同時に地中熱利用システムを埋設できます。


実証試験の結果、工期短縮、コスト削減が可能で、適応性及び環境性に優れた工法であることが確認できましたので、2018年2月より「Hybrid Pile MS」を本格的に展開します。


1.開発の経緯

再生可能エネルギーとして注目を浴びている地中熱利用は、学校教育施設、病院・介護施設、オフィスビル、及び住宅などの空調設備や積雪地域の融雪設備等への採用件数が年々増加しています。
従来の地中熱交換器の設置工法としては、専用の機械を用いて約50m~100mまでボーリング掘削した設置孔に熱交換器を設置するボアホール方式が主流です。効率よく安定して地中熱を利用できる反面、熱交換器設置のためのスペースや専用の設置孔掘削工事が必要になります。
基礎杭を利用した方式は、従来はほとんどが場所打ち杭での適用となり、地中熱交換用の管路が長く取れないことに加え、すべて現場での施工のため、工期が長くなる、多くの作業員が必要となるなどの課題が残っています。
そこで、既製コンクリート杭の製造・販売・施工で国内トップの三谷セキサンと、プラスチック配管材トップメーカーの積水化学工業が、両社の強みを融合して「Hybrid Pile MS」を開発しました。



このリリースの画像:
▼Hybrid Pile MS
http://www.jpubb.com/press/image.php?image=1004123
▼地中熱利用の工法
http://www.jpubb.com/press/image.php?image=1004124
▼工場で作製した熱交換器と鉄筋かご
http://www.jpubb.com/press/image.php?image=1004125
▼杭中空部に挿入した熱交換器
http://www.jpubb.com/press/image.php?image=1004126
▼施工試験の様子
http://www.jpubb.com/press/image.php?image=1004127


2.工法の概要と特長

「Hybrid Pile MS」は、既製コンクリート杭の杭長に合わせて、熱交換器を固定した鉄筋かごをあらかじめ工場で作製し、基礎杭の埋設時に杭の中空部に設置します。杭の接続部分は、専用の継手を用いて、信頼性の高い電気融着方式により熱交換器を接続します。

「Hybrid Pile MS」の特長(従来工法と比較して)

(1)工期短縮とコスト削減:

熱交換器を基礎杭の内部に設置するため、熱交換器のための掘削作業が不要です。

また、熱交換器を固定した鉄筋かごをあらかじめ工場で作製するため、現場での作業が軽減され、工期短縮、工事費用が削減できます。



(2)適用性向上:

都心部などの狭い敷地においても、基礎杭があれば適用できます。

(3)環境性改善:

岩盤の掘削を伴わないため、低騒音・低振動の施工が可能です。


<実証試験>


茨城県坂東市において「Hybrid Pile MS」の実証試験を2回実施。


    ・熱応答試験、熱交換量の計測を行い、熱応答試験で得られた熱交換特性値を用いたシミュレーションの結果、有効長さ1m当たりの熱交換量は、ボアホール方式に比べて、約1.5倍となることが確認できました。

    ・実施工に合わせ回転を与えながらの埋設を行った後に、熱交換器の確認、水圧試験を行った結果、熱交換器に問題はなく、健全性が保たれていることが確認できました。

    ・施工工数(手間)について、従来工法の工数を大幅に削減し、トータルコストの縮減が可能であることを確認できました。

    施工試験の様子

    3.今後の展開

    2017年4月1日に「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」(建築物省エネ法)に関して適合義務や届出等の規制的措置が施行され、建築物の省エネ対策を施すことが義務化されました。省エネ対策に有効な手段の1つとして、地中熱エネルギー活用システムにより社会環境に貢献できるよう「Hybrid Pile MS」の営業展開を行っていきます。


    【参考資料】

    三谷セキサン株式会社 会社概要

    設 立:

    1956年9月20日(創業 1946年2月26日)

    資本金:

    21億4,600万円

    代表取締役社長:

    三谷 進治

    従業員数:

    260名(グループ合計1,005名)

    事業内容:

    コンクリート二次製品の製造・販売、砂利製品の製造・販売、基礎工事、護岸用型枠賃貸

    本 社:

    福井・東京


    積水化学工業株式会社 会社概要

    設 立:

    1947年3月3日

    資本金:

    100,002百万円

    代表取締役社長:

    髙下 貞二

    従業員数:

    23,006名(2017年3月期連結ベース)

    主な事業分野:

    住宅、リフォーム、不動産、住生活サービス、配管・インフラ、建築・住環境、機能材料、エレクトロニクス、車輌・輸送、住インフラ材、ライフサイエンス、他

    本 社:

    大阪・東京

    本件に関するお問い合わせ先

    <杭及び施工全般>
    三谷セキサン株式会社
    開発営業部 賀川
    TEL:03-5821-1133
    <熱交換用配管資材>
    積水化学工業株式会社
    【報道関係の皆様】
    経営戦略部 広報グループ
    TEL:03-5521-0522
    【一般のお客様】
    環境・ライフラインカンパニー 建築システム事業部
    TEL:03-5521-0748


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