NEC、産業技術総合研究所へ「産総研AIクラウド」を納入、省エネ性能スパコンランキングで世界第3位を獲得

2017年6月21日
日本電気株式会社

NECは、国立研究開発法人 産業技術総合研究所(理事長:中鉢 良治、以下 産総研)から、スカラ型スーパーコンピュータ(HPCサーバ「LXシリーズ」)を基盤に用いた「産総研AIクラウド」を納入、本年4月より稼動を開始しました。
本システムは、産総研の研究者だけでなく、中堅・中小企業など多様な事業者が利用するAI・IoT技術に関する最先端の研究開発環境として提供されるものです。

本システムは、ドイツ・フランクフルト市で開かれたスーパーコンピュータに関する国際会議"ISC HIGH PERFORMANCE 2017(ISC 2017)"において、6 月19日(ドイツ時間)に発表された世界のスパコンの省エネ性能ランキングGreen500 List(注1)で世界第3位を獲得しました。また、空冷方式においては、世界第1位となっています。

今回NECが納入した「LXシリーズ」は、最新のインテルXeon® E5-2600L v4製品ファミリー搭載のデュアルソケットMPIコンピュートノード68ノード、およびNVIDIA社の最新GPU(注2) Tesla P100を8基搭載したGPUノード 50ノードの2種類の計算サーバで合計118ノードで構成されています。
また、総理論性能で人工知能用スーパーコンピュータとして国内最大規模となる8.48ペタフロップス (半精度浮動小数点) (注3)の性能を実現し、演算能力に対する需要に合わせて、システムの継続的な拡大も可能です。さらに、100ギガバイト／秒の情報処理能力を有する4ペタバイト大規模並列ファイルシステムも組み込まれています。

産総研では、AI・IoT技術の活用による競争力の高い研究の維持・強化、企業との共同研究立ち上げの迅速化による産業界との連携強化、人工知能研究センターを中心に収集・開発されるデータやソフトウェアの利用促進を目的に、NECのスーパーコンピュータ「LXシリーズ」を基盤とした「産総研AIクラウド」を導入しました。
これにより、データ知識融合型人工知能や脳型人工知能をはじめとするビッグデータ処理の高速実行が可能となり、AI・IoT技術の高度化が促進されるとともに、わが国の産業イノベーション進展への貢献が期待されます。

NECグループは、安全・安心・効率・公平という社会価値を創造する「社会ソリューション事業」をグローバルに推進しています。当社は、先進ICTや知見を融合し、人々がより明るく豊かに生きる、効率的で洗練された社会を実現していきます。

以上

• (注1)Green500List：スパコンのベンチマーク速度性能を半年ごとに世界第1位から500位までランキングするThe top 500 Listに対して、近年のグリーン化の潮流を受けTOP500のスパコンの電力性能(速度性能値／消費電力)を半年ごとにランキングしているリスト。http://www.green500.org
• (注2)GPU(Graphics Processing Unit)：本来はコンピュータグラフィックス専門のプロセッサだったが、グラフィックス処理が複雑化するにつれ性能および汎用性を増し、現在では実質的にはHPC用の汎用ベクトル演算プロセッサに進化している。
• (注3)ペタフロップス：毎秒1,000兆回の浮動小数点演算能力。また、半精度とは、数値(実数)のコンピューター内の表現方法の1つ。2バイトで表現され、有効桁数は10進で3.3桁である。最新のGPUなどを用いると、倍精度(8バイト、約16桁)や単精度(4バイト、約7桁)よりも高速な演算が可能であり、機械学習／AI分野における活用の研究が進んでいる。

LXシリーズについて

URL：http://jpn.nec.com/hpc/lx/

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