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2015-04-24 00:00:00 更新

(仮称)浜里風力発電事業に係る計画段階環境配慮書に対する環境大臣意見について(お知らせ)

平成27年4月24日

総合政策

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(仮称)浜里風力発電事業に係る計画段階環境配慮書に対する環境大臣意見について(お知らせ)

環境省は、24日、北海道で計画されている「(仮称)浜里風力発電事業計画段階環境配慮書」(株式会社道北エナジー)に対する環境大臣意見を経済産業大臣に提出した。
本事業は、北海道天塩郡幌延町において、最大で総出力80,000kWの風力発電所を設置するものである。
環境大臣意見では、対象事業実施区域の設定にあたり、重要野鳥生息地等の環境保全上重要な区域を原則除外すること、風力発電設備への衝突事故や移動経路の阻害等による重要な鳥類への重大な影響及び利尻礼文サロベツ国立公園内からの眺望景観への影響を回避すること等を求めている。

1.背景
環境影響評価法及び電気事業法は、出力10,000kW以上の風力発電所の設置又は変更の工事を対象事業としており、環境大臣は、提出された計画段階環境配慮書(※)について、経済産業大臣からの照会に対して意見を言うことができるとされている。
今後、経済産業大臣から事業者である株式会社道北エナジーに対して、環境大臣意見を勘案した意見が述べられ、事業者は、意見の内容を検討した上で事業計画を決定し、事業段階の環境影響評価(環境影響評価方法書、準備書、評価書)を行うこととなる。

※計画段階環境配慮書:配置・構造又は位置・規模に係る事業の計画段階において、重大な環境影響の回避・低減についての評価を記載した文書。

2.事業の概要
本事業は、北海道天塩郡幌延町に、最大で総出力80,000kWの風力発電所を設置するものである。事業実施想定区域は、ガン・カモ類の集団飛来地であるラムサール条約湿地のサロベツ原野及び利尻礼文サロベツ国立公園が隣接している自然環境上重要な地域である。

3.環境大臣意見の概要
(1)対象事業実施区域の設定
1)計画段階配慮事項に係る環境影響の重大性の程度を整理し、事業実施想定区域からの絞り込みの検討経緯を明確にし、比較すること。

2)以下の区域については、原則として除外すべき。
①自然環境保全基礎調査の現存植生図における植生区分が「自然植生」の区域
②重要野鳥生息地(IBA)
なお、今後の方法書以降の手続きにおいて現地調査を行う場合は、科学的・客観的な詳細調査を行い、自然植生及び重要野鳥生息地(IBA)の選定基準と同等の区域を明らかにし、専門家等からの助言を踏まえ、当該区域を除外すること。

(2)各論
1)地形について
事業実施想定区域には、「日本の典型地形」が含まれることから、重要な地形への影響を回避又は極力低減すること。

2)鳥類について
① 事業実施想定区域及びその周辺では、猛禽類等の重要な種が確認され、また、ガン・カモ類の集団飛来地となるサロベツ原野に隣接していることから、風力発電設備への衝突事故や移動経路の阻害等によるこれら鳥類への重大な影響を回避すること。
② 事業実施想定区域及びその周辺には、多くの渡り鳥や猛禽類等の重要な種の餌場等が広く分布し、これらの重要な鳥類の生息環境の劣化等が懸念されることから、風力発電設備等の配置等の検討に当たっては、以下を実施すること。
(イ)サロベツ原野で越冬するコハクチョウや大規模なガン・カモ類等の渡りの経路及び餌場への移動経路となっていることから、鳥類の渡り等の経路下を避けるとともに、これら鳥類の飛翔経路の遮断による重大な環境影響がないよう可能な限り距離を確保すること。
(ロ)多数の海ワシ類の越冬や隣接する既設風力発電所におけるオジロワシの衝突が確認されていることから、海ワシ類のねぐらや餌場等の利用範囲や移動経路は避けるとともに、これら鳥類の生息地に重大な環境影響がないよう可能な限り距離を確保すること。

3)動物(鳥類除く。)について
重要な動物の生息地の改変を回避又は極力低減するとともに、可能な限り当該生息地から距離を確保すること。

4)植物について
重要な植物種の生育地及び湿地等の脆弱な自然環境の改変を回避するとともに、取付道路等の附帯施設の設置等による地形改変が最小となるよう配慮すること。

5)生態系について
既存道路や無立木地等を活用することにより、砂丘等の脆弱な自然環境等を回避又は極力低減すること。

6)景観について
利尻礼文サロベツ国立公園内に位置する幌延ビジターセンター等からの眺望景観が大きく改変される可能性があるため、当該視点場から眺望される利尻山のスカイラインを切断する地点を回避するとともに、これら以外の主要な視点場等については、垂直見込角を可能な限り小さくすること。

(3)事業計画の見直し
上記(1)2)並びに(2)2)~6)により、影響を回避又は十分に低減できない場合は、事業実施区域の見直しや基数の大幅削減を含む事業計画の抜本的な見直しを行うこと。

(4)その他
1)環境保全措置の検討
環境保全措置の検討に当たっては、環境影響の回避・低減を優先的に検討し、代償措置を優先的に検討することがないようにすること。

2)累積的な影響
本事業の事業実施想定区域及びその周辺においては、他事業者による複数の風力発電所が設置済及び環境影響評価手続中であることから、本事業との累積的な環境影響について予測及び評価をすること。

【参考】
○事業概要
・名称 (仮称)浜里風力発電事業
・事業者 株式会社道北エナジー
・計画位置 北海道天塩郡幌延町(事業実施想定区域面積:約4.12km2)
・出力 最大80,000kW(2,000~3,200kW級 発電設備を設置)
○環境影響評価に係る手続
・平成27年3月10日 経済産業大臣から環境大臣への意見照会
・平成27年4月24日 環境大臣から経済産業大臣に意見提出

添付資料

連絡先
環境省総合環境政策局環境影響審査室
室長:神谷 洋一(内6231)
室長補佐:相澤 寛史(内6233)
審査官:岸田 周(内6253)
電話:03-3581-3351(代表)、03-5521-8237(直通)


情報提供:JPubb

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